カメ全般」カテゴリーアーカイブ

2020年を省みる

2020年が残り僅かとなりましたので、恒例の振り返りを記します。

・飼育について
毎年、「新たな種を迎えない・飼育個体を死なせない」を目標にしてきたのですが、達成できたことはありません。
節度ある飼育者さんには当然のことでも、不真面目な私には高いハードルなのです。
ところが、今年は一匹も死なせておらず、このまま行けば十数年ぶりの快挙となります。
飼育個体数が減って目が行き届くようになったこと、何かを感じたら先手を打つよう心掛けたことが要因でしょうか。
ただ、気がかりなのは庭で眠るトウブハコガメ。
初めての冬眠を無事に越せるのか心配で、頻繁に様子をチェックしています。

それから、今年の目標だった大型ケージを作成することができました。

2400×800×500が二段
見た目はアレですが、通気と採光に重点を置いたヤマガメ用のケージです。
来春以降の観察を今から楽しみにしています。



・繁殖について
昨年、あと一歩というところで失敗に終わったクロハラモエギハコガメ。
今年は有精卵さえ得られれば孵化に漕ぎ着ける自信がありました。
しかし、3つの有精卵を授かったにもかかわらず、どれも早い段階でカビさせてしまうという結末に・・・
孵卵の設定で躓いていることは分かるのですが、現在は改善案が見えていません。

きちんと産卵する個体が増えてきましたので、来年以降も自分なりに試してみようと思います。

そして、一昨年に惜しいところまで行き、昨年は産卵を確認できなかったオプストヒラセガメ。
今年は抱卵したものの産む気配がなく、そのまま拒食へと陥ってしまいました。
結局は4つの無精卵を時間差で産み落としたのですが、その後も元気にならなかった為に室内ケージ飼育へ移動。
秋口には食欲も戻っていたため、現在は冬眠させています。
なんだか後退ぎみですが、来年はどうなるやら。。。

やっと登録を済ませたセイロンホシガメも繁殖を視野に入れ始めました。
成熟していそうな個体は1ペアだけですので、焦らずに進めていこうと思います。


・新メンバー
お迎えはゼロというわけに行かなかったので、紹介しておきます。

トウブハコガメ

現在育成中の2018CBがメスで間違いなさそうなので、同じブリーダーさんにお願いして別血統のTSDオスを譲って頂きました。

ユカタンハコガメ

以前から憧れの種でしたが、色々とストレスが溜まった勢いで迎えてしまいました。

上記2匹とも順調に育っていますので、美しいフォルムを目指して頑張ります。



・最後に・・・
2020年の我が家における最も大きな変化は猫を飼い始めたことです。
ひっそりとインスタグラムを始めたので、良かったら見て下さい。
https://www.instagram.com/cat_and_tortoises/
ほとんど猫ですが、たまに亀も登場します。


それでは、ブログを見て下さった皆様、今年もありがとうございました!




登録票

登録票が届きました。

インドホシガメ×5、モエギハコガメ×5です。

最初に確認用のfaxを送ってから2ヶ月強。
10頭という数もあってか、それなりの時間を要しました。

サイテス1の告知を見た当初は「面倒なことになったなぁ」という自分本位の感情でした。
しかし、実際に手続きを行なってみると、不慣れな飼い主を相手に大量の作業を強いられている自然環境研究センターの大変さにも気付かされました。
私自身も書類の不備でご迷惑をお掛けしましたが、担当して下さった方の丁寧かつ責任感ある対応に感謝しています。

とはいえ、やはり飼い主が登録に費やす手間は結構なものがあり、趣味の延長線上と位置付けるには負担が重すぎるような気がします。
特にホシガメのような沢山殖える種に対して「ある程度育てる」→「マイクロチップ挿入」→「登録手続き」という段取りを繰り返し続けるのは厳しいかと・・・
モエギハコガメくらいなら頑張れそうな気もしますが、その時が来るまでは考えるのをやめておこうと思います。



マイクロチップ

先日、マイクロチップの挿入をお願いしてきました。

ホシガメとモエギハコガメ、計10頭です。

なんとなく先延ばしにしていたのですが、登録していないことで繁殖にも消極的になってしまい、今年は交尾すらさせていませんでした。
もちろん、飼育するだけなら現状のままでも良いのでしょうが、繁殖や非常時のことを思うと登録票が欲しくなってしまいます。


ちなみに、これはセイロンホシガメの若個体たち

いわゆるインドホシガメ的な感覚では全てメスの体型ですが、一番左(手前)はオスです。
こんなオスがゴロゴロいるのを見た時は衝撃でした。



ホシガメにチップを挿れた話は珍しくないものの、モエギハコガメに関しては聞いたことがありません。
メンタル面への影響を心配していたのですが、

翌日から全頭が完食していました。



正直、なんらかの変化は生じるかなと思っていたのですが、今のところはホシガメ・モエギハコガメともに違和感なく過ごしているようです。

さて、次は登録の手続きです。
面倒な作業ではありますが、マイクロチップを挿れた以上は前に進むしかありません。




距離感

トゲオイグアナを迎えて半年が過ぎました。

温度くらいしか気にしてませんが、ずいぶん大きくなっています。


普段はケージの上部に潜んでいるので、姿を見ることは殆どありません。
最初の2ヶ月くらいは隠れ場すら知りませんでした。
毎日、生体が見当たらないケージの水と食べ物を交換し、その減り具合・排泄物・脱皮跡で生存確認をしているだけです。
なので、たまたま姿を見掛けた時は「立派になったなあ!」と感動しています。
ちょっと無責任な飼い方かもしれませんが、互いに心地良い距離感が成立しているとも思えます。

人懐こくて手が掛かる生き物も好きですが、野生動物と暮らしているような感覚になれる種も悪くないなと感じます。
大きくなり過ぎず、ボリューム感もあり、丈夫で美しく、リクガメに似た食性のトゲオイグアナ。
飼ってみて自分に向いていることを知りました。



2019年を省みる

2019年も残り僅かとなりましたので、印象的なことを記しておきます。


・サイテス会議

今回は議題となった動植物の殆どが承認されたことに驚きました。
しっかりと考察や議論が行われた結果であれば良いのですが、ある種の同調圧力のようなものが存在していたのかなと想像してしまいます。
開催地と時期の変更が会議を形式的なものにさせてしまったのでしょうか。

とはいえ、インドホシガメが1類になったことについては反論の余地がありません。
最初から死なせるつもりで飼う人なんていないのでしょうが、それでも大量に消費されてきた現実を見れば飼育に不向きであることは明らかです。
私自身、大好きな種に対して保護どころか消費に加担しているという矛盾を抱きながら飼い続けてきました。
もしも亀の飼育を趣味にしていなければ、間違いなく今の自分のような人間を軽蔑していたでしょう。

法律が変わっても飼育自体は可能ですし、登録さえ済ませれば販売や譲渡まで出来てしまうのは非常にありがたいことです。
ただ、所有を容認されることは密猟・密輸を助長することに繋がるでしょうから、野生個体の保全という観点では中途半端なルールとも受け取れます。
趣味人としてはマイクロチップに対する不満がある一方で、もはやそういう次元の話ではないということも認識しなくてはなりません。

ついでに、今回の決定に際して「昇格」や「格上げ」といった表現を多く目にしましたが、深刻な問題に対してポジティブな言葉を用いることに大きな違和感を覚えました。
まあ、希少性という付加価値を得たことで、商品としては「昇格」を果たしたのかもしれませんが・・・




・セイロンホシガメ

最も興奮したニュースはセイロンホシガメの入荷です。

これまでのセイロンホシガメはサイズが大きいこと以外に差異を見出せないという印象が強く、はっきりと違いを感じたのは2012年に入ってきた少数のみでした。

それが、今までに見たことのない形状の個体が集団で入ってきたわけですから、これはもう新たなロカリティと捉えて良いのではないでしょうか。
実物を見た時の衝撃は非常に大きかったです。


1月に迎え、3月頃に頻繁な交尾行動が見られた後、6月に産卵

抱卵には気付けたものの、産んでくれる環境が分からずに苦労をかけました。



9月末に孵化

これは日本へ来る前の体内時計によるものでしょうから、飼育下での繁殖とは言えません。



3ヶ月が経過した現在、20gから50gになりました。

甲羅の高さが特徴的で、私の知るインドホシガメの孵化仔とは明らかに異なります。

大きくなることで知られるセイロンホシガメですが、メス親はもちろん、オス親も1kg超の大型個体ですので、どんな育ち方をするのか非常に興味深いです。


まだまだ探りながらの飼育ですが、従来のインドホシガメでは感じたことのないクセがあり、間違った判断をしないように気を付けなくてはなりません。




・この趣味の継続について

相変わらず飼ってみたい種は沢山ありますが、興味のある種と本当に好きな種は違うのでしょうから、あまり冒険はせずに続けていくつもりです。

亀の飼育を始めて以来、日々のお世話は楽しみであり、癒しでもあったのですが、激務となった2019年の終盤は重荷に感じてしまう時がありました。
これが歳のせいなのか心身の疲れによるものなのかは分かりませんが、この先も同様の感情になり得ることを肝に銘じておかなくてはなりません。

それと、最近になって個体の状態を理解することの大切さに気付くことが出来ました。
便利な世の中において、外の世界にばかり情報を求めがちですが、自然と隔離された環境で飼う以上は個体を観察して考えることが重要なのかなと。
おそらく、長期飼育を実現している人は、それが出来ているということなのだと思います。



最後に、、、
今年も一年間ありがとうございました。
書くことがないのが悩みですが、来年もボチボチ更新していければと思います。
それでは、良いお年をお迎えください。