カメ全般」カテゴリーアーカイブ

2019年を省みる

2019年も残り僅かとなりましたので、印象的なことを記しておきます。


・サイテス会議

今回は議題となった動植物の殆どが承認されたことに驚きました。
しっかりと考察や議論が行われた結果であれば良いのですが、ある種の同調圧力のようなものが存在していたのかなと想像してしまいます。
開催地と時期の変更が会議を形式的なものにさせてしまったのでしょうか。

とはいえ、インドホシガメが1類になったことについては反論の余地がありません。
最初から死なせるつもりで飼う人なんていないのでしょうが、それでも大量に消費されてきた現実を見れば飼育に不向きであることは明らかです。
私自身、大好きな種に対して保護どころか消費に加担しているという矛盾を抱きながら飼い続けてきました。
もしも亀の飼育を趣味にしていなければ、間違いなく今の自分のような人間を軽蔑していたでしょう。

法律が変わっても飼育自体は可能ですし、登録さえ済ませれば販売や譲渡まで出来てしまうのは非常にありがたいことです。
ただ、所有を容認されることは密猟・密輸を助長することに繋がるでしょうから、野生個体の保全という観点では中途半端なルールとも受け取れます。
趣味人としてはマイクロチップに対する不満がある一方で、もはやそういう次元の話ではないということも認識しなくてはなりません。

ついでに、今回の決定に際して「昇格」や「格上げ」といった表現を多く目にしましたが、深刻な問題に対してポジティブな言葉を用いることに大きな違和感を覚えました。
まあ、希少性という付加価値を得たことで、商品としては「昇格」を果たしたのかもしれませんが・・・




・セイロンホシガメ

最も興奮したニュースはセイロンホシガメの入荷です。

これまでのセイロンホシガメはサイズが大きいこと以外に差異を見出せないという印象が強く、はっきりと違いを感じたのは2012年に入ってきた少数のみでした。

それが、今までに見たことのない形状の個体が集団で入ってきたわけですから、これはもう新たなロカリティと捉えて良いのではないでしょうか。
実物を見た時の衝撃は非常に大きかったです。


1月に迎え、3月頃に頻繁な交尾行動が見られた後、6月に産卵

抱卵には気付けたものの、産んでくれる環境が分からずに苦労をかけました。



9月末に孵化

これは日本へ来る前の体内時計によるものでしょうから、飼育下での繁殖とは言えません。



3ヶ月が経過した現在、20gから50gになりました。

甲羅の高さが特徴的で、私の知るインドホシガメの孵化仔とは明らかに異なります。

大きくなることで知られるセイロンホシガメですが、メス親はもちろん、オス親も1kg超の大型個体ですので、どんな育ち方をするのか非常に興味深いです。


まだまだ探りながらの飼育ですが、従来のインドホシガメでは感じたことのないクセがあり、間違った判断をしないように気を付けなくてはなりません。




・この趣味の継続について

相変わらず飼ってみたい種は沢山ありますが、興味のある種と本当に好きな種は違うのでしょうから、あまり冒険はせずに続けていくつもりです。

亀の飼育を始めて以来、日々のお世話は楽しみであり、癒しでもあったのですが、激務となった2019年の終盤は重荷に感じてしまう時がありました。
これが歳のせいなのか心身の疲れによるものなのかは分かりませんが、この先も同様の感情になり得ることを肝に銘じておかなくてはなりません。

それと、最近になって個体の状態を理解することの大切さに気付くことが出来ました。
便利な世の中において、外の世界にばかり情報を求めがちですが、自然と隔離された環境で飼う以上は個体を観察して考えることが重要なのかなと。
おそらく、長期飼育を実現している人は、それが出来ているということなのだと思います。



最後に、、、
今年も一年間ありがとうございました。
書くことがないのが悩みですが、来年もボチボチ更新していければと思います。
それでは、良いお年をお迎えください。




蜥蜴

早いもので、11月になりました。

外の亀たちも、冬の気配を感じているような・・・


庭には沢山のトカゲやカナヘビが棲んでいて、初夏から秋にかけては孵化したばかりの可愛いベビーたちも見られます。
引っ越してきた当初は殺風景な庭でしたが、カメを飼育するために設置した数々の水入れや隠れ家、さらに生やし放題の雑草がトカゲにも居心地の良い環境になっているのでしょう。

さすがに最近は見なくなったと思っていたら、日光浴している子供達を発見。

生息数は年々増え続けているようで、小規模ながら野生動物が暮らしていける場所を提供できたことに喜びを得ています。

日本のトカゲやカナヘビって、神秘的な美しさと独特の可愛らしさを併せ持っていると思うのですが、不思議なことに飼おうという気にはなりません。
たぶん、自然下の暮らしぶりを間近で見てしまうと、室内ケージでの飼育に可能性が感じられないためでしょう。
きっとそれは亀も同様で、もしも自然環境下での姿を知ってしまったら、やはりケージに閉じ込めようなんて気は起こらないのではと思います。
そうやって考えてみると、この趣味は異国の爬虫類に錯覚を起こしているだけなのかもしれません。
ふと「無知は罪なり」という言葉が浮かびます。

そんなワケで、最近迎えた異国のトカゲです。

小型種なので最初は幅600程度で高さのあるケージを自作するつもりだったんですが、冬眠明けの亀を立ち上げる為に使用している1200×750×700の木製ケージが空いていたので、とりあえずはそれで飼ってみることに。
さすがに広すぎるかと思ってたんですが、たかだか胴長6cm程度のトカゲが余すところなく空間を満喫しているではありませんか!?
いやむしろ、もっと大きなケージがあったら良いなと思ってしまうくらいです。。。

来年、亀用の特大ケージを設置すべく現在設計中なんですが、どう頑張っても端から端まで亀が歩いて10秒かからないくらいの規模なんですよね。これは本当に悩ましい現実です。



全く話が変わりますが、初めて買ってみました。

効果のほどは知りませんし、人間用のモノを探せばリーズナブルに同様の効果を得ることが出来るのかもしれません。
とりあえず、使ってみるのが楽しみです。




今更ですが、以前に話題となっていた器を購入しました。

当時は「食べてる姿が家畜みたい」と言って導入しなかったのですが、きっと心の奥底では我慢していたんでしょう。



盛り付けの一例

非常に美味しそうですね。

さっそく使ってみましたが、一度に食べきらない個体でも食材を汚すことなく維持できるのが有難いです。
ここだけの話、もっと早く買っておくべきでした。



さて、こちらはミツオ製の特殊容器です。

まあ、100円ショップで購入したものを切断しただけですけど・・・


こんな薄汚れた器ですが、立ち上げ中の個体には非常に重宝しています。
配合飼料や刻んだ野菜などを入れてケージの角に置くだけで、食べる際に食材が散らかったり溢れたりせず、効率の良い栄養補給が可能です。

「体力のない個体に少しでも多く食べさせたい」という時にオススメ。


さらに、ひっくり返せばシェルターに大変身!

まだ使ったことは無いですけど・・・


他にも、画鋲でミミズを固定する木製台とか、ピンクマウスを吊り下げるクリップ付きのスタンドとか、餌付けに役立ちそうなものを色々と創作してますが、見た目がアレなんで割愛します。

ちょっとしたアイデアで飼育が向上するのは素晴らしいことですね。





メタハラ新調

メタハラが壊れました。
エムズワンのMH-70Sを使っていたのですが、2009年に購入したので今年で10年目。
5年くらい前に調子が悪くなった時は無償修理で済んだものの、さすがに今回は新品に近いぐらいの費用がかかってしまうとのこと。
当時、けっこう背伸びをして購入した機材なので愛着があったのですが、思い切って買い換えることにしました。

久々に新たなメタハラの購入を考えたのですが、どの製品にするか非常に悩みます。
MH-70Sを導入した時の衝撃は、それまで使用していたメタハラとは比較にならないほど圧倒的なものでした。
とはいえ、こういう技術は日進月歩でしょうから、できれば新しい商品も試してみたい。。。
その一方で、今までにリリースされてきた各社のメタハラがことごとく廃盤になっている現状を見ると、長く使用できない製品は使いたくないという思いもあります。
TWFのサンビームUV20とか、交換球が手に入らない為に本体を捨てることになるのは本当に切ないものでした。
そして、飼い主にとっては買い物の一つでも、爬虫類にとっては生活の軸となり、一生を左右するものかもしれませんから、よく分からないなりにも真面目に考えなくてはなりません。



けっこう迷いましたが、比較的設計が新しそうなものを購入してみました。

ソーラーラプター70W

同じメーカーのマーキュリーランプという製品を使用しているので、信頼と興味があったのが大きな要因です。

ところが、さっそく使ってみようとランプへ電球を取り付けた際、そんなに強く回してもないのにソケットの金具が千切れてしまうというアクシデントが・・・(^_^;)
まあ、たまたま不良品だったのでしょうし、海外の製品では珍しくないことかもしれません。

最初は代理店に連絡して修理または交換という方法を考えたのですが、次のランプでも同じことが繰り返されてしまったら完全にメンタルをやられてしまうと思い、ホームセンターで代わりの部品を入手して事無きを得ることにしました。


予想外の大作業になりましたが、試しに設置してみると、、、

素晴らしい!まるでケージに太陽が射し込んだかのような光です!!
正直、マーキュリーランプとは比較にならないほど本格的なものでした。

この製品、メタハラとしての性能は期待以上でしたので、おそらく購入して後悔する人はいないのではと思われます。




でも、後日こちらも買ってしまいました。

MH-N70S

長く使用してきたメタハラの後継機なのですが、要所要所が更に使い易く改良されていました。



ケージに取り付けてみると、

期待通りの光に安心と安定を感じます。


今回購入した二機種に関して性能の優劣は分かりませんが、MH-70NSの方が遥かに良い造りになっていると思います。
変な例えですが、2000ccの車で走る時速100kmと3000ccの車で走る時速100kmの違いみたいな感じでしょうか。
どちらも100kmで走り続けられるけど、トルク感に違いがあるみたいな・・・

両方を使用してみた結果として、一万円程度の違いなら私は間違いなくエムズワンを選びます。
(くどいようですが、ソーラーラプターも期待通りの素晴らしいメタハラです!)

余談ですが、、、
メタハラの売りは何と言ってもUVB量なんでしょうが、それ以前に重要なのは擬似的な太陽光が爬虫類に与える“刺激”だと思っています。
朝、出勤する際に快晴だと「今日も頑張るぞ!!」ってなるのと同じく、生命としてのスイッチをオンオフさせることを目的に導入しているつもりです。

ここ関東地方において、温帯産の亀なら一年の大半を屋外で飼うことができますが、熱帯の種であれば頑張っても半年くらいではないでしょうか。

水中で日向ぼっこをしているベトナムミナミイシガメ

屋内飼育においてメタハラが絶対に必要かどうかは分かりませんが、リクガメ・ヤマガメ、または乾燥系・多湿系などの垣根なく一定の効果を得られる機材だとは思います。

しかし、生体に高いお金を払うのは平気なのに、なぜか機材となると勇気がいるのは何故なんでしょうね(^_^;)




新年のウダウダ

あけましておめでとうございます!

本当は年末に振り返りを書いておきたかったのですが、風邪でダウンしているうちに2019年が来てしまいました。
どちらにしても一年の節目なので、いま頭の中にあるものを記しておこうと思います。


1.飼育について

生まれたのが最近のことのように思える甥っ子も、今春から中学生になります。
この甥っ子、小さな頃から生き物が大好きなのに、自分では飼育しないスタイルを一貫してきました。
その理由は「生き物の死を見るのが辛いから」だそうです。
これを聞いた当時は「男の子なのに繊細だなあ」と残念な気持ちになったのですが、最近になって甥っ子の考えが理解できるようになりました。
まあ、私の場合は失敗し過ぎて懲りただけなのでしょうが、以前に比べて臆病になったのは間違いありません。

また、一昨年から飼育数を減らし始めたことで、個体の状態が良くなっているのを実感しました。
数が増えると基本的なお世話で手一杯になりがちですが、個々の状態を観察し、細かなケアができることに充実感を得られています。
正直、まだ今の数でも多いとは感じますが、あんまり減らし過ぎると新たな種を始めたくなる危険性がありますしね。。。
誘惑の多い趣味なので、自分に合った飼育スタイルを認識するのって意外に難しいんじゃないかと思います。

そんなわけで、2018年は例年に比べてお迎えが大幅に減りました。



2.背景について

毎年、なんらかの種が入手難となり、高値更新合戦が展開されています。
どう捉えるかは様々でしょうが、渦中の個体がCBであれば色々な意味での平和が保たれます。
その一方、ワイルドばかりが出回る種に対してCB化を目指すことの是非について、悶々と考えてしまうことがあります。

私自身「長期飼育および繁殖技術の確立」という建前のもと、誰に頼まれたわけでもないことに奮闘しています。
しかし、現実的には飼育技術の向上が野生個体の絶滅に歯止めをかけることにはならないでしょうし、国内では少子高齢化によって愛好家そのものが絶滅に向かうとすれば、ノウハウを残す意義すら薄いのかもしれません。

さらに、どれだけCBが流通しようが、やはりWCに惹かれてしまうのは私だけではないはずです。
インドホシガメの流通が減少し、国内外からのCB個体が今まで以上に注目を浴びる最中、それでもヨルダンからの入荷には胸が躍りました。
善し悪しはともかく、今後も需要さえあれば様々な生き物が流通され続けることでしょう。

近年はイベントの乱発などでメジャーになり過ぎたため、この世界のグレーな部分がマスキングされてしまった気がします。
時代と言われればそれまでですが、やはり本来はアンダーグラウンドな趣味であり、そこから出たことで歪みが生じているのかもしれません。



3.2019年について

なんだかネガティブなことばかりを書き連ねてしまいましたが、決してカメ熱が下がったわけではありません。

・周囲に流されず、自分のペースを維持する。
今まで通り、陰気で面倒臭くて飼育困難な種が好きなことに変わりはありません。
とにかく近道を避け、できるだけ失敗の少ない飼育を心掛けようと思います。

・ビルマホシガメが飼いたい
サイテス1に上がったタイミングで諦めていたのですが、なぜか最近になって飼いたい気持ちが強くなりました。
といっても、価格やスペースの問題で実現は難しいでしょうけど。
いちおう気持ちの記録として書きました。




4.新メンバー

前半に書いたことは何だったんだという話になりますが、2018年は12月になってからトントン拍子にお迎えをしてしまいましたので、その個体を載せておきます。

インドホシガメ

もはやピンポンサイズのホシガメを迎えることなどないだろうと思っていました。
ネットで入荷情報を見た時も他人事だったのですが、どうしてもスルーできない個体を発見してしまい・・・(^_^;)
派手な色と派手な多甲は育てるのが厄介そうですが、余裕のある今なら妥協のない環境が用意できると思い切りました。
お迎え時は24gでしたが、現在は36g。
期待以上の快食快便により、僅か一ヶ月足らずで1.5倍に増えました。
このまま何事もなく育ってくれると良いのですが、油断できないのがインドホシガメです。。。


クロハラモエギハコガメ(メス)

まだ迎えて一週間しか経ってません。
ずっと想いを寄せていた個体ですので、このお迎えは予定内と言って良いと思います。
見ての通りのシャイガールですが、一発目の給餌をなんなく完食したので大丈夫かと。
私が買うまで売れなかったことに感謝しています。



カンボジアモエギハコガメ(オス)

前述のクロハラと同時に迎えました。
かねてからカンボジアのオスを探していたので、これも予定内ということで。
この個体は警戒心をどこかに置いてきたようで、人を見ると寄ってきます。
まだまだ小さいので、大切に育てようと思います。

以上、なんの変哲も無いチョイスでした!(^_^;)




5.締めの言葉

昨今はSNSなどで簡潔にまとめる人が多い中、私のようにダラダラとしたブログを書くのは時代遅れなのかもしれません。
でも、当面は自分と向き合うスタイルを維持したいので、こんな状態を続けようと思っています。

末筆ながら、本年もよろしくお願い致します!