ヒラセガメ(備忘録)

今回は備忘録を兼ねた番外編ということで、ヒラセガメについて書かせて頂きます。
陸亀は全く登場しない上に、やや面倒クサい内容となっておりますので、お疲れの方やご興味の無い方はスルーして下さい。。。(笑)

私、亀好きとは言っても興味の殆どが陸亀なのですが、ヒラセガメに関しては一度飼育してみたいと思っていました。

初めてこの亀の存在を知ったのは4年くらい前でしょうか、爬虫類ショップのHPに載っている写真を見て、木彫り職人が造った芸術品のような甲羅に見入ってしまったのを覚えています。
飼ってみたいと思い、水亀の飼育本を入手したりして色々と情報収集を行ったのですが、

1. 状態が悪いWCの輸入個体が圧倒的に多く、素人には立ち上げが非常に難しいらしいこと。
2. 雑食性であり、フードに餌付くまでは生き餌が必要になるらしいこと。
3. 私自身、陸亀飼育もまだまだ未熟であること。

などの理由から、その当時はお迎えを断念し、その後も気になりつつ我慢をしてきました。

ところが、今年の3月に行われた第16回ワシントン条約締約国会議にて、6月から野生個体の輸出割当を0にするという決定が・・・。

もちろん6月以降の入手が不可能になるわけではありませんが、今まで以上に困難になることは間違いなさそうです。

そして、この条約が施行される前の駆け込みで、ベトナムから沢山の個体が輸出されてきました。

このタイミングで迎えるべきか、それとも我慢するべきか。。。
心が揺れましたが、結局は我慢できず、トライしてみることにしました。

あちこちのショップを見て回ったのですが、小さくて若い個体からフルアダルトの個体まで様々なサイズが輸入されていて、とっても迷いました。
こういった場合、体力のありそうなアダルト個体をペアでお迎えするというのが賢い選択に思えるのですが、私はあえてリスクの高い選択をしてしまいました。

そのきっかけとなったのがこの個体です。

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一見ふつうなこの個体、子亀サイズでありながら、甲羅の数箇所に穴が開いています。

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店員さん曰く「ワニに噛まれたのではないか…」とのことでしたが、本当の原因はわかりません。
私はこの個体を見た瞬間に気に入ってしまい、心の中で“ケンシロウ”と名付けました。

持った感じがスカスカだったうえ、液状の便をしているという最悪のコンディションではありましたが、まだ眼力があるようでしたので購入を決意しました。
※立ち上げる技術も無いくせに弱々しい個体を連れて帰りたがるのは、本当に私の悪い習性だと思っています。


さらに翌日、お店に残っていた残りの3個体もまとめて購入し、計4個体のヒラセガメを迎えました。

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全員まだ子亀です。。。


小さい個体の利点は成体に比べて警戒心が薄く環境に適応しやすいことだと思いますが、その反面で体調を崩した際に立て直すだけの体力的な備蓄が無いという難点があります。
特にWC個体においては警戒心・体調ともにつきまとう問題ですが、やはり総体的にはアダルト個体を選んだ方が安全なように思えます。

輸入して日が浅い個体はいともあっさり死んでしまうと聞きますが、はたしてド素人の私に立ち上げられるのか!?

一応ショップではミルワームを食べているのを見ましたが、持った感じでは全員がプラモデルみたいに軽い。。。
というか、標準的な重さすら分からない私… (汗)

ちなみにアメハコやセマルなどの飼育情報は比較的多く見かけるのですが、不人気なのかヒラセガメに関する情報は極端に少なく、日本語のものはクリーパーのバックナンバーや飼育されている方が書いたブログの断片を読みあさるのが精一杯です。

色々と不安だらけではありますが、まず最も優先すべきは餌付けです。
(最終的には人工フードにて飼育するつもりですが、当面はそれどころではありません)

お迎え当日は個体を落ち着かせる為、極力近寄らないようにするとともに給餌も行いませんでした。

そして二日目、ピンセットで恐る恐るミルワームをあげてみたのですが、見事に全員無視。。。
バナナなども試してみたのですが、全く興味を示してくれませんでした。

三日目、一番大きな個体のみミルワームを食べましたが他の餌には無反応。
他の個体は相変わらず全く食べず。

見た目と勇気ある性格から、この最初に食べてくれた個体を“ボス”と命名しました。

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ボス


四日目、それまでは全員を同じ衣装ケースで飼育していたのですが、

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各々を別の入れ物に分けました。

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理由として、
・他の個体によるストレスの排除。
・置き餌をした際、食べたかどうかを確認できるように。
・排便の有無と状態を把握できるように。
・水が汚れているケースだけを掃除することで、必要以上に個体に干渉しない。

などが挙げられます。

ちなみにこの日、一番小さな個体が庭で採取してきたナメクジに食いついてくれました!
この個体を“スネオ”と命名しました。

さらにその後、ケンシロウではない方の個体が鶏肉を食べてくれました。
この個体を“ミート”と命名しました。

おそらく同じ場所から輸入されてきたであろう個体の嗜好がこんなにもバラバラだなんて、改めて驚かされました。

この時点で何も口にしていないのはケンシロウだけとなりました。
気のせいか、目を閉じていることが多くなっているようで心配です。

五日目、やはりケンシロウは何も口にしてくれません。
早く食べさせないと体力の低下が心配な反面、食べさせようと夢中になりすぎると余計に警戒させてしまうことになり、このあたりのバランスが非常に難しいです。
いずれにしても、そろそろ栄養剤の注射を準備しようかと考えていました。

六日目、なんと庭を掘り返して採取したミミズにケンシロウが食い付いてくれました!
これで警戒心が解けたのか、その後は鶏肉もガツガツと食べ、それなりに栄養補給ができたのではないかと思います。

色々と課題はあるものの、これで全個体の餌付けに成功したことになります。
とりあえずは最初の難関を越えることができたと、ようやく私も胸を撫で下ろしました。

と、ここまでは良い方向に向いているように思えていたのですが、
七日目の夜、仕事から帰って見に行くと、ケンシロウの様子が明らかにおかしく、目を閉じたままグッタリとしていました。
私は為す術も無く様子を見守ったのですが、その後は一度も目を開けることなく、ケンシロウは翌日の未明に息を引き取りました。

あまりに突然すぎて、私にはどうすることもできませんでした。

まさか、お迎え一週間で死なせてしまうなんて、、、。
ようやく六日目に餌を食べ、これから少しずつ確実に元気になっていくであろうと信じ切っていただけに、本当にショックでした。

一番気に入っていて、一番最初に連れて帰った個体が、一番最初に逝ってしまいました。しかもこんなに早く。

衰弱しているところに栄養価の高いモノを摂取させたことが悪い結果に繋がったのでしょうか。。。
いずれにしても、前日の様子を思うと呆気なく死んでしまったことが今でも信じられません。

私のような素人が手を出してしまった罪悪感に襲われるとともに、“野生個体の輸出割り当てを0にする”ということの正当性を全身で感じたような気がしました。

ケンシロウ、ごめんなさい。。。

というわけで、4匹でスタートしたヒラセガメ飼育があっという間に3匹になってしまいました。
悲しさと悔しさで泣きそうでしたが、「ボス」「スネオ」「ミート」の3匹もケンシロウの後を追うかもしれないとの危機感で、落ち込んでいる暇はありません。
なんとしても無事に立ち上げなくてはと、私は躍起になりました。

しかし、困ったことに餌付いたと思った3匹も徐々に食欲が落ちていきました。
ワームとかコオロギとかミミズとかナメクジとか生肉とかバナナとかピンクとか、色んな餌を試していたのですが、飛びついて食べた餌に次の日は無反応とか、あまりの気まぐれさに手も足も出ず、数日後には全く食べない状態に後戻りしてしまいました。
色々と原因を考えてみるものの、私には何故なのかが全く分からず、ただただ時間が過ぎて焦るばかり。。。

環境が落ち着かないのかと思い、水飼いから土飼いに変更してみました。

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亀達はだいぶ落ち着いたように見えたのですが、今度は潜って寝てばかりで一向に起きて来なくなってしまいました。


ミート(奥)とボス(手前)

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スネオ

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置き餌にも全く手をつけない状態が一週間続き、堪えられなくなった私は赤玉土を浅く敷いた環境に変更したのですが、起きている時間が長くなったものの、やはり餌には興味を示してくれません。

警戒している個体に対して頻繁な環境変更を行うことは非常にマイナスだとは思いつつ、それ以上に何週間も食べていないことの方が心配で、数日後には再度水飼いに戻してしまいました。

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その後、ミートがナメクジに反応して少しだけ食べるようになりましたが、ボスとスネオは全く食べず、衰弱しているのがハッキリとわかりました。
うまく表現できないのですが、警戒して食べないというよりは体調不良で食欲が無いというようにも見えました。

さらに数日後、朝起きて見に行くとボスが死んでしまっていました。
あと一日でお迎えして一カ月という日でした。

迎えて一週間後にはガツガツ食べるようになり、一番の当たり個体だったと感じていたボスが、なぜこうなってしまったのか・・・。
目の前で起こっている事態が悪夢のように感じました。

正直、私はこの時点でヒラセガメの飼育に踏み切ったことを強く後悔していました。
さらに、飼い主として失格ではありますが、残りの2個体も近いうちに死んでしまうだろうと思いました。

実際、状況が悪いにもかかわらず改善すべき策が全く思いつかないわけですから、為す術なく死を待っているようなものでした。
本当に、自分自身の愚かさと無力さに泣きそうな日々でした。

2匹ともこの上なく不安な状態でしたが、特に危険だったのはスネオのほうでした。
小さな体で2週間以上食べてなかったのですが、かなり警戒心が薄れているのに対し、まるで「食べる」という行為そのものを忘れてしまったかのように無反応な状態でした。

もう本当に行き詰まった私は、強制給餌を決意しました。
個体にかかる負担や危険性も懸念されますが、何もせずに死なせてしまうよりは少しでも可能性のあることをと考えた末の判断です。

長い上クチバシが邪魔をして思うように餌が入っていかず、どれほどの量を飲み込んでくれているのか分かりませんが、スネオへの強制給餌を数日おきに繰り返しました。

毎回、強制給餌を行った直後は警戒して動かなくなるのですが、数時間後には給餌前よりもはるかにイキイキしているように感じました。
また、翌日には必ず糞をしていたのですが、意外にもしっかりとした糞だったので、私は「もしかしたら・・・」と、密かな期待をしつつ過ごしました。

しかし数日後の朝、強制給餌をしようとスネオを見に行くと、目が窪んで危篤状態となっていました。
もう強制給餌をする必要すらありませんので、せめて清潔な環境で死を迎えてもらいたいと、私はスネオが入ったケースの水を交換して仕事に行きました。

その日は仕事中もスネオのことが気がかりでしたが、夜に帰宅するとまだ生きており、むしろ朝よりは元気になっているようでした。
少し希望が見えた気がして物凄く嬉しかったのですが、スネオは翌朝に亡くなりました。

これで、迎えた4匹のうち3匹を死なせてしまったことになります。

どの個体に関しても我が家に迎えてからイキイキと捕食している姿を見ているだけに、私の飼育方法に誤りがあったと思わざるを得ません。
本当に情けないというか申し訳ないというか・・・・・

将来的には繁殖ができたらなどと淡い夢を抱いて4匹を迎えたというのに、あっという間に1匹になってしまいました。

現在も唯一生き残ってくれているミートですが、徐々に食欲が増し、今では私を見ると駆け寄ってくるようになりました。

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お迎え時に比べると明らかに肥えています。

言うまでもありませんが、いつ状態を崩すか分かりませんので、全力で立ち上げを行っていくつもりです。
かなり食欲も安定してきましたので、そろそろ駆虫に入ろうかと思っています。

ペットの死に関する内容は、読まれる方にも決して気持ちの良いものではありません。
内容を読まれて気分を害された方もいることと思います。
また、恥ずべき自分の失態をわざわざ公表することに対する抵抗もありました。

しかし、良いことも悪いことも正しく記録してこそ自分にとって価値のある飼育ブログですので、愚かな過ちを繰り返さないための備忘録として記載させていただきました。

―追伸―
無知な私の問い合わせに快くアドバイスを下さった大先輩の方々、本当にありがとうございました。
貴重な飼育情報を惜しみなく教えて下さり、その寛大な御人柄に心から感謝しています。
こんな私ではありますが、いつの日か恩返しができるよう頑張ります!




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