ミツオ式ホシガメプロジェクト〜拒食編〜

もはや3ヶ月に一度の更新が定着しつつあるこのシリーズ(笑)

※前回の記事はコチラをクリック!



ということで、5匹のピンポンホシガメをお迎えして9ヶ月が過ぎました。

心配していた4号も無事に成長スイッチが入り、その後は順調に育ってくれています。
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24gで迎えた体重は79gになりました!


しかし、これでチビホシチームもひとまず安心かと思っていた矢先、また別の問題が・・・。

なんと、今度は3号が拒食に陥ってしまったのです。。。

極端に育たなかった4号に次いで成長の遅い個体ではありましたが、安定したコンディションを維持していただけにショックでした…。

様子がおかしくなったのは3月の末頃からです。
他のカメケージは殆どスルーしている私(おい)ですが、チビホシケージに関しては毎日個体の状態を念入りに確認していましたので、3号の異変には早い段階で気付くことができたと思います。

こんなこともあろうかと、いつでも稼働できるようにセッティングしてあった非常時用の単独ケージに迷わず3号を移動しました。

移動直後の3号
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不安…

状況は予想以上に深刻で、餌を置くと寄ってはくるのですが、匂いを嗅ぐだけでシェルターに戻ってしまいます。
そのうちに寄っても来なくなり、98gだった体重が数日後には86gにまで落ち込みました。

このサイズの体力では体重の減少が取り返しのつかない結果に直結しますので、私は焦りました。

飼育環境上、脱水や肺炎は有り得ないと考えて、他に思い当たる原因は3つ。
1.結石を抱えている
2.成長および季節の変化に伴う偏食
3.他の個体によるストレス

上記1であれば耐えられません。
頭の中にブラッキーの悪夢が甦り、泣きたい気持ちになりました。
結石を患うにしても、せめて安全に開腹手術が出来るサイズになってからにしてもらいたい。。。
悔しい思いで死なせてしまうことの無いよう、一日でも早く大きくなることを優先しつつ飼育をしてきたのですが・・・

そして、上記2および3であれば希望はあるものの、やはり楽観はできません。
爬虫類全般に言えることかもしれませんが、リクガメの拒食は非常に厄介で、一度食べなくなると何を出しても頑なに拒み続け、そのまま衰弱死してしまうケースもあるようです。
このサイズでは強制給餌等も危険性が高いうえ、延命にはなっても根本的な解決にはなりません。
我が家でも以前ミハエル(エロンガータ)が猛烈な拒食に陥り、数週間なにも口にしなくなったことがありました。
プーキーのお迎え時に起こった拒食も、以前ブログに書いた通りです。

拒食に対するトライアルは飼い主としても非常に消耗するものですが、今回はまだベビーの個体ですので、さらに猶予は無さそうです。。。


とりあえず単独飼育にしてみたものの、温湿度などの環境設定は以前から最適と思われる状態を維持していましたので、自分に思い付くことはストレスの排除と餌のバリエーションを増やすことぐらいでした。

私はケージの周囲を覆い、思いあたる食材を日替わりで与え続けました。
本やネットなどで目にする嗜好性の高いものは勿論、リクガメには適さないとされる食材から他の動物用フードまで、とにかく興味を示すものを探しました。

苦労の末、1週間を過ぎた頃から、夜には餌皿のゴハンが微妙に減っているようになりました。
私が見ていると目の前に餌を置いても全く食べないのですが、時間をあけて見に行くと明らかに減っています。

お迎え時からの半年間はいつも無邪気で無防備だった3号なのに、、、成長とともに強い警戒心が芽生えていたようです。
少々寂しさも覚えましたが、これも野生の本能というものなのでしょう。。。
リクガメ飼育の難しさを改めて痛感しました。

その後、拒食を境に3号の食性に変化が生じていることに気が付きました。
それまで好んでいたフード類に興味を示さず、葉野菜や野草ばかりを食べるようになったのです。
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野草の千切りを食べる3号

幼体時のホシガメには動物質のものを食べる習性があると聞きますが、3号は成長に伴う体内の変化を迎えていたのかもしれません。

現在でもあまり食べない日もあったりで心配ですが、体重は増えてきていますので、もう大丈夫だと思いたい・・・。
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今日の3号

チビホシ飼育、やっぱり難しいです。。。



他の個体は相変わらず順調です。

1号
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甲長9.4センチ、体重187g。

2号
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甲長8.1センチ、体重141g。

5号
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甲長9.8センチ!、体重213g!!


1号と5号は成長が速すぎて逆に心配だったりするのですが、メス個体であれば生後2年で1.5kgが適正というデータもあるようなのでなんとも。。。
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1号(左)と5号(右)


各々、元気に冬を乗り越えて、益々逞しくなっています。
まだ性別はわかりませんが、どんな割合になるのかが楽しみです。
全部オスとか全部メスという事態だけは避けたいところですが、同じ環境で孵化した個体であれば、その可能性も???(汗)

今日までの成長記録を記しておきます。

※お迎え時(昨年8月)  →  昨年11月  →  2月(半年後) →  5月(現在)
・1号:4.9cm/33g  → 6.7cm/71g  →  8.1cm/110g  →  9.4cm/187g
・2号:4.5cm/25g  → 6.2cm/60g  →  7.2cm/95g  →  8.1cm/141g
・3号:4.4cm/23g  → 6.1cm/60g  →  7.05cm/89g  →  7.4cm/106g
・4号:4.65cm/24g → 4.7cm/28g  →  5.75cm/43g →  7.1cm/79g
・5号:4.5cm/24g  → 6.6cm/73g  →  8.3cm/128g  →  9.8cm/213g


ちなみに、そろそろ本格的な屋外飼育の時期になりますが、チビホシチームに関しては屋外に出すことを全く考えておりません。
超個人的な意見ですが、小さな飼育個体に関しては、屋外で得る恩恵よりも受けるリスクのほうが大きいような気がするからです。
まあ、過保護すぎると言われればそれまでですが・・・(笑)

ということで、現時点での結論は、
「輸入されたピンポンサイズのホシガメも6割程度は順調に育つかも、、、残りの4割は・・・?」
です。

どうか、無事に一周年を迎えられますように・・・


14 thoughts on “ミツオ式ホシガメプロジェクト〜拒食編〜

  1. kojiro

    こんにちは 4号ちゃん心配ですね…(泣)

    私的には温湿度環境と脱水とは別物と考えておりますので脱水は要注意ですね。

    ともあれ少なからずとも餌を食べてくれているようなので、今後の展開に期待したいです。

    頑張って下さい!!

    返信
  2. ミツオ

    >kojiroさん

    こんにちは!
    おっしゃる通り、脱水は温湿度によるものだけではないですね。
    脱水によって結石や腎疾患が起こるのか、後発的に脱水状態に陥るのか、どちらにしても幼体には最も注意が必要な症状だと思っています。
    ホシガメに限らず、リクガメのベビーは水に対する依存度が特に高そうですので、そのあたりが立ち上げのネックになっているような・・・。

    3号に関しては餌食いや排便も安定してきましたので回復に向かっていると判断していますが、引き続き慎重にお世話をしていこうと思います。
    応援ありがとうございます!

    返信
  3. イチコ

    たくさんのカメたちがいるのに、3号ちゃんの変化に気づいてあげられて、さすがミツオさんです。
    人間の子も、「いきなり」人見知りや夜泣きや偏食が始まって、「なんだ?どうした??」な事態になりますよね。カメだって同じ生き物ですから、成長の過程でそれぞれの変化があるのかもしれません。
    3号ちゃん、このまま順調に大きくなりますように。

    返信
  4. がびお

    成長に伴う嗜好の変化による拒食だったんでしょうか!?
    やっぱり難しいですね、インドホシ・・・
    さすがミツオさん、これまでの経験と情報収集、あらゆる手を尽くして、
    山を越えたようですね、、、ε=(。・д・。)

    私にはとても手が出せないインドホシですが、
    一年と言わず、5カメが立派に成長してくれるよう、
    頑張ってください!!

    返信
  5. u-ko

    私は飼育を開始した頃に3割程度しか育たないなんて記事を読んでしまった為に、必要以上にハラハラしながら毎日生死確認をしていました。
    その頃にミツオさんのこのホシガメプロジェクトを読んでいたら、きっともっと強い気持ちで飼育に向かうことが出来たことでしょう。
    4号ちゃんのスイッチONや3号ちゃんの拒食改善傾向の経緯はこれからの飼育者さんにとっても心強い情報ですね。
    警戒心は成長の証なのでしょうけれど、3号ちゃん、ミツオさんの見ていない間にいっぱい食べてねー!

    ケージと野外の環境の差は想像以上にダメージがありそうですし、私も日光浴は小さな個体にはリスクの方が大きいかなと思います。
    うちはやっと成長していざ日光浴と思っても今度はめろんマン自身が明るい場所が苦手。
    紫外線量はインドホシには日陰でも十分のようですから今後も無理強いはしませんが。。。^^;

    返信
  6. ミツオ

    >イチコさん

    チビホシに関しては手遅れになるのが一番コワイので、かなり神経質に観察をしています。他の個体はあんまり見ていませんが・・・(笑)
    言葉を発してくれないので、どうして食欲がないのかを想像するのが大変ですが、その分うまくいった際の喜びは大きいです。
    3号は今日も野草の山を完食していましたので、きっとこのまま大きくなってくれると信じています。

    返信
  7. ミツオ

    >がびおさん

    はっきりとした拒食の原因はわかりませんが、成長に伴う嗜好の変化があったことは間違いありません。
    ここ数日は山盛りの野草をしっかりとたいらげてますが、やはりフード類はきれいに残しています。。。

    私もわからなことだらけですが、「なんとしても死なせないように・・・」という思いだけで必死に頑張っておりますので、精神的疲労が・・・(笑)

    がびおさん宅の孵化仔ちゃんたちは本当に安定していますね。
    いつか飼育方法を伝授して下さい!

    返信
  8. ミツオ

    >u-koさん

    u-koさんがめろんマンさんをお迎えしたのと同じ年に私もピンポンサイズのホシガメをお迎えしましたが、無知により半年後に亡くしてしまいました。
    「もし生きていれば、今頃はめろんマンさんのように立派になってくれてたのかな・・・」なんて、今でも時々考えたりしています。
    可愛いさゆえ、ついお迎えの対象になりがちなホシガメベビーですが、やはり飼育のハードルは高いですよね。
    実際に何割程度が育っているのかは私も興味深いです。

    最近の3号は私が見ている前でもゴハンにカブりつくようになりました(笑)
    おそらく成長も再開してくれるものと思っています。

    ベビー個体の日光浴、なかなか難しいですよね。
    飼育者が躍起になって日光に当てようとする反面、亀自身は嫌がって日陰に逃げ込んでしまうという場面を多く見かけます。
    “リクガメ=日光浴”という意識が過剰になりすぎて、逆にストレスになっていることも多そうな気がしますので、個体の様子や自然下での行動を学びつつ慎重に行っていきたいと思っています。

    返信
  9. zeroko

    3号ちゃん、その後いかがでしょうか
    このホシガメプロジェクトはとても注目しています
    4号ちゃんを心配していましたがまさか3号ちゃんが拒食となるなんて
    やっぱりリクガメって個性も体調もそれぞれの個体差があるしある程度の大きさになるまでは本当に難しい生き物ですよね

    野草の千切りを食べる3号ちゃんの真剣な眼差しに見とれてしまいます
    無事に大きくなってもらいたいです
    ミツオさん、がんばって!

    返信
  10. ミツオ

    >zerokoさん

    幸い3号の状態は良好なようで、私の前でもモリモリ食べてくれるようになりました。
    折を見て元のケージに戻そうと思っているのですが、なかなか勇気がいりそうです(笑)

    おっしゃる通り、同じ環境で飼育していても性格や成長速度が全然異なりますね。。。
    飼育方法に絶対は無く、柔軟な対応が必要であることを再認識しました。

    引き続き注意深く見守っていこうと思います。
    応援ありがとうございます!

    返信
  11. Lin71

    気になっていました4号ちゃん。
    成長スイッチONは嬉しいお知らせでした(^^)
    拒食は心配ですよねぇ、食のバロメーターに頼っているところが
    自分自身けっこうある気がします。
    ウチの今ではすっかり警戒心を知らない2カメ嬢もどうかと思いますが、
    人間で言うところの「大人がうざったい思春期」みたいなものでしょうか?
    元々の単独で生きていく上の成長としたらいい傾向ですよね。

    みんなで元気に夏を迎えて「あの頃は大変だった~」と
    カメさんに囲まれて笑える日が来ますように(-人-)

    返信
  12. ミツオ

    >Lin71さん

    4号は遅咲きではありますが、順調に成長してくれて本当にありがたいです。

    ある程度のサイズならまだしも、ベビーの場合は少しでも餌食いが落ちると心配になってしまいます。。。

    私も、「よく食べる=健康」 という図式は、かなり正しい気がします(笑)
    なんか、完全に家族の一員と化しているLin71家のカメさんたちは病気になる気がしないんですけど・・・(爆)

    毎日神経をすり減らしてお世話をしているのに、突然警戒されだしたりすると本当に寂しいです。。。
    思春期の娘を持つ父親って、こんな感じなんでしょうかね・・・(笑)

    返信
  13. ろろ

    遅ればせながら今回も拝見させていただきました。
    他の種類に比べて生存率が低いというのには
    様々な理由があるかとは思いますが
    このプロジェクトを見ていると、人間の責任において
    しっかり見てあげればしっかり育つというのが立証できています。
    もちろん、気遣いやその細かさというのは他種に比べると繊細なんでしょうが
    飼うという以上は、飼い主の責任だろうなと心底思います。

    売る側も、商売だからというだけで素人に渡すのではなく
    その辺りのケアが出来れば、亡くなる個体ももっと減るんでしょうね。

    このプロジェクトは先々にわたり、インドホシ飼育をする人にとって
    教科書みたいになるといいなと願っています。
    次回も楽しみにしております♪

    返信
  14. ミツオ

    >ろろさん
    私もリクガメ飼育を始めた当初は現状のスタイルとは程遠いものでした。。。
    個人的にはホシガメやヒョウモンは特にベビー時の環境設定が難しいように思います。
    残念ながら飼育書からの情報だけで失敗してしまっている初心者の方も多いのでしょうね。。。
    ショップとしても「飼育が難しい」とばかり言っていては商売にならないのでしょうが、死なせない為の最低限のケアは行って欲しいですよね。(きちんとしたショップもあると思いますが…)
    教科書とまではいきませんが、いずれ自分の得た知識をまとめて公開できればと考えています。

    返信

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